能生中学校の風景__

能生中トピックス

いじめ見逃しゼロスクール集会



 能生中学校では、11月を人権教育、同和教育の強調月間として全校体制で取り組んでいます。11月14日(金)に「いじめ見逃しゼロスクール集会」を実施しました。学区内の全小学校から5,6年生が参加し、能生中全校生徒と合わせて222名での集会となりました。
 今年度は、フリーアナウンサーとしてお仕事をされる傍ら、いじめ見逃しゼロ県民運動に協力され、キャラバン隊として活躍されている西條詩菜様を講師にお招きしました。
 生徒会総務が主体となったアイスブレイク活動では、小中学生5,6人で1グループをつくり、「サイレントゲーム」に挑戦しました。誕生日順や身長順のお題に「言葉を使わず」にコミュニケーションをとって、並び順を変えるゲームです。身振り手振りでグループの仲間と情報を共有しながら、課題をクリアしていきました。普段のコミュニケーションの大部分は「言葉」ですが、それを使わずに相手に自分のことを知らせるもどかしさや相手の表情や身振りで相手の伝えたいことを感じ取らなければならない難しさなどを感じながらもお互いのことを知り合いながら、無言ながらも和やかな雰囲気となりました。西條様もグループを回りながら、笑顔でゲームにチャレンジしてくださっていました。普段は、ラジオパーソナリティーとして「言葉」で伝えるプロの西條さんも苦戦!?されていました。
 あえて言葉を使わないコミュニケーションをとることで、自分の発する「言葉の影響力」について学ぶことのできる機会となりました。



 アイスブレイク活動につづいて、「コンプレックスを強みに」をテーマに西條様からご講演をしていただきました。
 西條様は中学生時代に合唱リーダーや学級委員長などを率先して行う積極的な生徒さんだったそうです。しかし、いつの間にか周りの仲間から「目立ちたがり」「出しゃばり」「ぶりっこ」などの「悪口」を言われるようになり、中学時代の後半はとにかく目立たないようにすることを意識されて過ごされていたそうです。大人になってからも「悪口」「陰口」「ありもしない噂」を言われたこともあったようですが、「自分らしさを大切にしたい」という想いが強くなり、悪口を言っている相手に毅然と直接自分の気持ちを伝えることができたそうです。むしゃくしゃしたり、うらやましく思ったり、自分の心が満たされていない時には、誰もが悪口などを言いたくなる時があると思いますが、そんな時は「自分の心を満たす」ために、他人と比べることなく、「自分の強みを見つける」ことが大切だと教えてくださいました。その1つの方法が「コンプレックスを強みにする」ことです。西條様は「目立ちたがり」=「自信がある」、「出しゃばり」=「行動力がある」、「ぶりっこ」=「愛嬌がある」などの言い換えを参加した小中学生にインタビューしながら、ポジティブな言葉で表現することで、コンプレックスも自分の強みや個性として捉えられ、自分にも、他の人にも優しくなれると伝えてくださいました。また、悪口を減らすことがいじめをなくす第一歩として考えると、自分の「言葉の重み」に目を向け、自分の「心を見つめ直す」ことの大切さも語ってくださいました。
 最後に、西條様はお話を以下のメッセージでまとめてくださいました。
「つらいことがあってもひとりじゃない」
「味方でいてくれる人が絶対いる!」
「つらい思いをしている誰かの味方になって」
だって、あなたたちはみんな誰かのかけがえのない存在。



 その後、西條様のご講演についてグループで感想を伝え合い、生徒代表から、お礼の言葉と花束の贈呈がありました。西條様からは、県民サポーター募集カードが各学校の代表児童生徒に手渡されました。
 続いて、能生中生からの全校合唱「僕のこと」が披露されました。この合唱を歌っている中学生も、聴いている小学生も「自分の在り方を考え、共に生きる難しさや大切さ」を実感する時間となっていたように感じました。
 今日の「いじめ見逃しゼロスクール集会」を通して、改めて「いじめを許さない」「いじめを見逃さない」という決意を確認するとともに、「自分の言葉の重みに目を向け、自分の心を見つめ直すことの大切さ」を学ぶことができました。
 今後、いじめ見逃しゼロの各学校の取組やこの「いじめ見逃しゼロスクール集会」での学びをまとめ、発信します。ご参加いただきました地域の人権擁護委員、民生委員児童委員等の方々、各学校の学校運営協議会の皆様、PTA役員の方々本当にありがとうございました。能生中学校区では、人権教育を充実させ、いじめや差別を許さない環境づくりを地域と共に進めていきます。


2025年11月17日 熊木 勝