能生中学校の風景__

能生中トピックス

平和への学びを深める 全校平和学習・人権学習集会



 今年のノーベル平和賞を被爆者の立場から核兵器廃絶を訴えてきた日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会が受賞することになったことや13日に行われる能生中学校区いじめ見逃しゼロスクール集会、12月4日からの人権強調週間への取組につなげることを考えて、全校平和学習・人権学習集会を先週行いました。
 8月5日から2泊3日で、市内の中学2年生11名が広島派遣事業に参加しました。能生中から参加した男子生徒がその報告会を体験した活動や今も残る被ばく施設のスライド等を使って分かりやすく説明してくれました。語り部の高齢化で実際に被ばくされた方から当時の話を聞かせてもらうなどの研修は年々難しくなっています。そのような中で、世界唯一の被爆国である日本が果たすべきこと、実際に現地を訪れて目や耳で収集した情報を自分たちだからできることとして二人は語ってくれました。
 昨年度能生中生徒会主催で『平和を考える日』として全校生徒で世界平和に願いを込めて折った千羽鶴を二人が献納してくれた様子が分かる写真がスクリーンに映し出され、2,3年生は感慨深そうに思いを寄せていました。



 能生中学校が全校で『北方領土問題』を考えるのは3年連続のことです。1年目は、内閣府主催の北方領土近隣地域研修に参加した教諭から、「北方領土問題と人間の安全保障」と題して、北方領土問題を人権問題の視点で捉えた内容を平和学習で行ってくれました。
 2年目の昨年度は、新潟県北方領土問題教育者会議等の主催する現地研修に参加した3年生3名が、実際に海上から北方領土で生活しているロシア人の住居の様子を見たり、「北方領土問題を、もっと子どもたちに知ってほしいと願っています。」という元島民の方の言葉を全校生徒や教職員に切実な思いとして伝えてくれたりしました。
 3年目の今年は、北方領土返還要求運動関東甲信越青少年交流会に参加した3年生3名が、各県を代表して集まった仲間たちとグループワークを通して学んだ北方領土の現状と課題について発表してくれました。
【現状と課題】
・ロシアのウクライナ侵攻により日露関係が悪化し、交渉が困難
・元島民の方が北方領土を訪れて墓参り交流できていたものが、新型コロナウイルスの大流行やロシアのウクライナ侵攻でお墓参りに行けない。安定的なお墓参り交流の再開
・元島民の方の高齢化。日本国内での問題の風化  など
 具体的な例や感想を加えてくれたことで、全校生徒はより身近な問題として北方領土問題を捉えることができました。
 最後に、生徒会総務から発表者の考え等を受けて、今年度も全校生徒による『平和を祈る千羽鶴活動』を計画することが伝えられました。
 11月から12月にかけていじめ見逃し活動や人権学習の強調活動が続いていきます。一つひとつの活動を点で終わられないように系統的に学びを深めていきます。




2024年11月11日 吉田 和則