能生中学校の風景__

能生中トピックス

全校道徳「平和学習」



 先日、広島研修と北方領土研修の報告を通して全校で平和について学びました。
 8月5日から7日に行われた広島研修には、2年生2名の生徒が参加し、現地での研修の中で特に印象に残った3つの言葉からの学びを報告してくれました。平和ボランティアガイドの方から学んだ「日本は被害者でもあり加害者である」という言葉に込められた戦争により、傷ついた日本の現実と傷つけてしまった相手のへの無念の思い。広島平和記念式典で2人の小学生が力強く誓った「平和への誓い」の言葉。大和ミュージアムの方から学んだ「歴史を未来に」紡いでいかなかればならないという責任と決意。これらは実際に広島を訪れ、広島を肌で感じたからこ深く考えることができたことです。その学びを自分事として捉え、「平和」について改めて考え、今を生きる自分にできること、今を生きる自分がしなければならないことを全校に伝えてくれました。最後に、今年度の生徒会スローガンにある「一人の百歩より百人の一歩」を目指し、能生中生一人ひとりが「平和」について考え、意識していくこと大切であるとまとめてくれました。
 8月18日から21日に行われた北方領土視察リーダー研修には3年生3名の生徒が参加し、現地の様子と元島民の方から学んだことを報告してくれました。日本固有の領土であった北方領土が第二次世界大戦により旧ソ連軍に占拠され、今もなおその状態が続いている歴史や占領され一変した島での生活の中で芽生えたロシア人への恨みとその気持ちが友情へと変わったことを元島民の方の話から学び、胸が締め付けられた思いを伝えてくれました。また、わずか3.7kmしか離れていない近い場所であるにも関わらず、行くことができない遠い場所になっているという現実を伝えてくれました。北方領土と一番近い北海道との距離3.7kmは、能生中からマリンドリーム能生までの距離と同じだそうです。国後島クルーズでは、そんな北方領土に接近可能なギリギリの距離まで近づき、島の建造物も見ることができたそうです。ただ、見えない国境という壁で互いの心が引き裂かれている現実を肌で感じ、海上保安庁の船が巡回し、緊張状態が続いている様子を見て、複雑な感情を抱いたそうです。そして、北方領土問題は国と国との問題ではなく、北方領土で今暮らしている人や昔暮らしていた人の気持ちを考える問題として捉えることができたことを話してくれました。最後に、長い年月を経ても78年前の記憶と失われた命や人々の悲しみをなかったことにはできないけれど、これからの未来は私たちの努力で変えることができること、1人ができることは、ほんの小さなことかもしれないけれど、1人1人の行動の積み重ねによって、必ず大きな成果を得ることができるはずであることが「一人の百歩より百人の一歩」と繋がっていることを力強くまとめてくれました。
 この報告会を受け、能生中生が「百人の一歩」として踏み出す提案がなされ、平和の祈りを込めた千羽鶴を折ることになりました。学級に戻り、生徒一人ひとりが平和について考え、1羽1羽丁寧に思いを込めて鶴を折りました。この千羽鶴は能生中生の平和への祈りのシンボルとして10月11日から13日に行われる「秋のあいさつ運動」でも使用します。今回の全校道徳で学んだ平和の気づきを中学生として、他人事としてではなく、自分ごととして捉え、自分には何ができるのか、何をするべきなのかを行動に移せた時間となりました。






2023年10月05日 熊木 勝