能生中学校の風景__

能生中トピックス

夏の輝き(3) 北方領土現地視察中学生リーダー研修



 能生中生の夏休み中の活躍を紹介する第3弾です。新潟県北方領土問題教育者会議等が主催する北方領土現地視察中学生リーダー研修に今年度は糸魚川市の中学3年生17名が参加しました。8/18から3泊4日の日程で行われ、能生中からも3名の生徒が参加しました。
 北方領土4島を陸地から、海から眺めたり、元島民の方から美しく豊かな島の楽しい生活が一瞬のうちに奪われ、多くの苦労の下、北海道に着いたお話を聴いたり、北方領土返還要求運動が進められている施設や新潟県にゆかりある偉人の功績を学んだりしました。
 2日目の研修内容に海上から国後島を眺めるクルージング研修がありました。台風のフェーン現象のおかげで晴れ上がり、通常は肉眼で見ることが難しい現在の国後島のロシア人住居の家並みも見ることができました。ガイドさんも驚くほどの好条件で8Km先の北方領土を見ることができた生徒たちは、より北方領土返還要求運動の重要性を実感しました。海上でイルカを見たり、海藻の群生地でプカプカと泳いでいるゴマフアザラシに出会えたことも大きな思い出のひとつです。
 3日目は有名なアニメーション映画の主人公のモデルとなった色丹島の元島民の方から終戦後のソ連軍侵攻やソ連の子どもたちとの交流の様子などの実体験や強制的に故郷から引き離された島民の方々の思いを聞くことができました。また、生徒たちがお礼に歌った『越後のはなし』に涙され、「美しい故郷を大切にしていってください。」と話された元島民の方の言葉には深い重みが感じられました。



 参加した生徒たちは「研修に参加する前の私は、北方領土問題を他人事だと思っていました。しかし、研修の機会を得て、現地で学んだことを自分事として捉え、少しでも多くの人に関心を持ってもらえるように伝えていきます。」「北方領土問題について考えれば考えるほど自分の無力さを実感します。しかし、そこで何もせずに諦めるのではなく、少しでも社会が変わることを願いながら自分にできることを続けていきます。」「現在、私たちは北方領土に足を踏み入れることはできない。見えない線で領土も心も切り離されているからだ。78年前の記憶と、失われた命、人々の悲しみをなかったものにはできない。これからの未来は私たちの努力で変えることができる。今の自分にできることは小さなことだけど、その小さなことを大切にし、できるだけ多くの人に発信していきたい。」と感想をまとめてくれました。
 今後、能生中学校では、3名の代表が学んだこと、感じたことを全校生徒に伝え、一人一人のアクションを大切にしていきます。そして、元島民の方々が困難にも負けず、故郷を大切に思い続けているように、ふるさと糸魚川、能生への思い、感謝の気持ちをもち続けられるように支援していきます。貴重な体験を大切にしていきます。生徒たちに貴重な機会を与えていただいた方々に感謝いたします。




2023年09月01日 吉田 和則