能生中学校の風景__

能生中トピックス

新潟県 人権週間への取組 部落問題学習を通して



 能生中学校では、新潟県の人権週間(今年度は12/4~12/10)を受けて、12月を人権教育強調月間に位置づけて人権教育、同和教育を進めています。先週は各学年が、同和教育副読本「生きるIV」の部落問題、人権問題を題材とした人権教育を行いました。
 1年生は貧しさや差別により、学校で学ぶことができず、文字を書くことができなかった女性が、識字教室で学ぶことから自分の名前を書くことができるようになり、文字を憶えたことで自然の美しさを感じる豊かな心を取り戻していった実話を元に考えました。また、人の値打ちが見た目や肩書き、生まれた地域で決められていた過去の差別から、本来あるべき姿、差別を許さない強い心を学びました。
 班で自分の考えをしっかりと述べたり、相手の意見に耳を傾けたりして、自他を尊重する中で人権を大切にする実践力を育んでいます。



 2年生は結婚差別について考えました。私たちが生活している市でも過去には、部落問題が要因となる悲しい事例が起こっています。また、昨年、一昨年と能生中学校区のいじめ見逃しゼロスクール集会にお招きして、講演をいただいた徳島県人権エンタメ集団「友輝」リーダー、徳島県同和地区青少年団体連絡協議会「止揚の会」事務局の中倉 茂樹さんからも結婚差別についての詳しくお話しを聞いてきました。
 今回の「生きるIV」では、強い意志をもって諦めることなく相手の両親に理解してもらえるまで説得を続けた部落出身の若者と、自分たちの中にある差別心に気づき、愛する娘の真の幸せを考える両親の葛藤の様子が描かれています。学びを進める中で、中倉さんが講演で映し出してくれた家族の笑顔の写真を思い出すことができました。
 学習の様子を見ていただいた指導主事の先生や小学校の校長先生からは、タブレットを活用して瞬時に、全級友の差別に対する憤りや意見を共有している様子に「匿名で学級全員の意見を共有できるのは『GIGAスクール構想』による新たな学びの深め方だった」と感想をいただきました。



 3年生は就職差別や今なお残っている様々な人権問題を考えました。総合学習で学んできたキャリア学習を通して、将来の夢について真剣に考えてきた3年生にとって、言われ無き差別によって夢の実現が閉ざされようとすることに憤りを感じた生徒が多くいました。また、部落問題だけでなく多くの差別が自分たちの身の回りでも起こっていることを知り、自分たちができる差別根絶を真剣に考える機会ともなりました。特に現在も全国各地で流行している新型コロナウィルス感染症に関する差別を、断じて許してはいけないと決意を新たにしました。
 今回の授業の様子を学年だよりや学校だよりに掲載していきます。人権教育、同和教育について家庭でも話し合ってください。そして、能生中学校校区では、地域をあげて“差別を許さない”強い意志の醸成に努めていきましょう。


2021年12月21日 吉田 和則