学校たより__

サケの採卵・授精

崇高な命のリレーに携わる



 今日、3・4年生は、木浦小学校伝統のサケの採卵・授精活動をしました。
 まず、木浦川の河口へ行き、内水面組合の方がサケを投網で捕獲するところを見ました。川には、自然の状態で産み落とされた受精卵や、すでに産卵・受精を終えて命が尽きたサケを何匹も目にしました。身近な木浦川で実際に命が受け継がれていることが実感できました。
 捕ったサケをすぐに学校へ運び、こん棒で頭を強くたたいて気絶させます。かわいそうですが、心臓が動いている内に授精させなければならないので、心を強く持ってやりました。
 動かなくなったサケを理科室へ運び、メスの腹を割いて卵を取り出します。3匹のメスのうち、2匹から授精に適した成熟した卵を取り出すことができました。子供たちの目は真剣そのもの。親のサケの命を新たな命へと引き継ぐ重要な作業なので、無駄な言葉は一切出てきませんでした。



 次に、オスの腹を軽くしごいて精子を出して授精します。神聖な瞬間なので、1匹ずつ丁寧に、慎重にします。ここでも3匹のオスを使いました。
 同じ「じゅせい」でも、人の手によるので、“てへん”を付けた「授精」という文字を使い、自然での「受精」と区別しています。
 精子をかけた後、素手で丁寧に丁寧によく混ぜ合わせました。これで子供たちの授精にかかる作業は終わりました。
 緊張の活動を終えると、子供たちの表情が和らいできました。



 最後に、理科センターの先生から、サケの体の中の仕組みを教えていただきました。
「胃や肝臓などは1つずつしかないけれど、卵や精子は新しい命を生み出すために大切なので、入っている袋は2つずつあります。」
 これから3・4年生は、理科室の大きな水槽で、受精卵をふ化させ、3月の放流まで稚魚を大切に育てます。親のサケから命をいただいた新たな命を預かる責任の重さを実感させられました。

 今日、いただいた親のサケの身は、骨から取っただしを使って来週の収穫祭でサケ汁にして、日頃から地域学習でお世話になっている地域の方々や子供たちでいただきます。


2020年11月19日