
学校にはいくつかの大きな行事があります。私たちは大抵、「本番に向けてがんばろう」「当日は最高の姿を見てもらおう」というような声を掛けます。でも、子どもたちを見ていると、その考え方は少し違っているのかもしれないと思うのです。 ある子からの、「先生、前奏できるようになった!」という言葉を聞いてはっとしました。わかばコンサート1週間前に、「てをつなごう(8分音符)のところで、手をつないだらどうかな」という、また別の子からの提案に驚きました。子どもたちは、同じ場所に留まっているのではなく、この瞬間にいつも全力で臨んでおり、いつもベストを更新しているのです。毎回が一度しかない本番なのです。だからこそ、「昨日よりうまくいった!」「できなかったところができた!」という喜びが生まれることもあれば、「先生、さんぽがうまくできないときがあってどうしたらいいかな」という不安も生まれるのです。
|