5年ひまわり__

瞬間の感動



 図工で版画をしています。版画には一点物の豊かさや素晴らしさがあると考えます。彫り方やインクののせ方、こすり方、紙の表裏、さらにはその日の天候や室温などでも変化するのが版画です。どんな仕上がりになるかは、紙をめくるまでわかりません。ドキドキしながら紙をめくると、そこには鮮やかな紋様がありました。一人一人に「瞬間の感動」が訪れる、それこそが版画の醍醐味です。だからこそ、長年、学校教育に「版画」があるのだと思っています。



 5年生は、小さな板にオリジナルの「紋」を、大きめの板に「モチーフ」を彫りました。その2枚を組み合わせて、一枚の作品にします。紋やモチーフも人それぞれ、インクの色もそれぞれ。とても鮮やかで、とても素敵です。
 製作の過程で、「ここ、持つよ」「紙持ってくれる?」など、仲間と協力するようになりました。「おーきれいだね!」「すごい!」など、お互いに称賛し合うようになりました。新しい表現と出会うことで、また感動を味わうことができました。それは、とても温かな時間でした。



 夢中になって対象と向き合う中で、子どもたちは自分で考え、新しいものにつくり変えていくことができるのです。友達を認め合うことができるのです。自分に自信をもつことができるのです。その瞬間を見て、とても嬉しくなった時間でした。これからも、子どもたちが夢中になってのめり込む、「本気になれる」活動をしていきたいと思います。


2021年01月21日