5年ひまわり__

「当たり前」を問い直す



 今、5年生では総合、国語、道徳、社会の学習を関連させて、「討論会」をしています。
 大切にしていることは、「一人一人が考えをもつこと」「仲間の話を聞くこと」「自分の考えを見つめ直すこと」です。これまでの論題は「糸小にドッジボール大会は必要である」「手紙を送るなら、手書きのほうが気持ちが伝わる」「年賀状を送るなら手書きか、ネットか」などです。



 子どもたちの生活に「当たり前」にあることや、これまで活動してきた「『和』をつくる」の振り返りにあった「ことば」から論題を決めてきました。子どもたちが経験したことでないと、自分の「ことば」で語れないと思ったからです。「当たり前」にある「もの」や「こと」を改めて問い直してみたり、みんなで考えたりすると、一面しか見ていなかったことに気付き、違う側面が見えてきます。
 これまで、「和」の心や手作業、一点物の伝統工芸などの素晴らしさを体感してきた子どもたち。でも、進んでいく機械化・情報化があって、「今」があるのも事実です。



 「機械化して、社会や世界は発展してきた」としながらも、「これ以上の機械化は必要ない」と考える子もいます。「AIの進化が進むのは、自分たちが大人になる時代、仕事がなくなるなんて心配」と自分事にして考える姿も見られます。「機械化・情報化が進んで、ネットの誹謗中傷が増え、自殺者が増えた」と語る子がいれば、「いじめや誹謗中傷は機械のせいではなく、人の心のせいだ」と訴える子もいました。「家庭の差が機械化・情報化の差を生む」と、はっとさせられる考えも出されました。一緒に討論していると、子どもたちの「ことば」にいつも考えさせられます。子どもたちは、「知らないことを知りたい」と感じているので、来週は「どう未来が変化していくと考えられているのか」を調べてみることにしました。子どもたちの考えがどのように深まり、何が心に残るのか。一人でじっくり、みんなでたっぷり考えていきます。


2020年11月06日