能生中学校の風景__

能生中トピックス

全校道徳 平和学習 糸魚川市広島派遣事業 北方領土問題研修報告会



 夏休み中にホームページでも紹介しました、コロナ禍で3年ぶりの開催となった糸魚川市主催の広島派遣事業の報告会と本校教員が参加した北方領土近隣地域研修の報告会を先週末行いました。
 広島派遣事業は、糸魚川市内の中学2年生11名が広島平和記念式典に参列したり、戦争にまつわる歴史的な史跡や博物館を見学したりしながら、平和学習を深める事業です。能生中からは2名の女子が参加しま。
 今回の報告会では軍事関連の歴史博物館での見学から、若くして戦死された特攻隊の方々の様子も伝えてくれました。
 平和式典への参列の感想や平和公園の建造物、原爆資料館の資料から、二度と戦争を起こしてはならないという強い意志を全校生徒に語ってくれました。また、今年度の派遣事業では、全校で割り当てられた数の折り鶴しか用意しませんでしたが、来年度は能生中学校として、毎月『平和の日』を制定するなどして全学級で千羽鶴を用意したいという希望も全校生徒に提案してくれました。
 学びを自分たちのアクションへと繋げていく素晴らしい報告でした。



 北方領土近隣地域研修の報告は、「北方領土問題と人間の安全保障」と題して、北方領土問題を人権問題の視点で捉えた内容でした。
 報告者が実際にお会いした元島民の方のお話を生徒に伝えると、生徒はみな真剣な表情で聞き入っていました。「教科書では1行で済まされてしまう北方領土問題ですが、もっと子どもたちに知ってほしいと願っています。」という元島民の方の言葉は、生徒だけでなく教職員の心にも響いたようでした。
 また、北方領土問題では多くの人の命と生活が脅かされたとして、すべての人々が安心して生きることができ、さらにその生活が人間らしいものであることを目指す「人間の安全保障」という概念について説明がありました。さらに、この「人間の安全保障」を確保するために、全世界で現在行われている具体的な取り組みがSDGsであることに触れ、私たちがこの問題から学び、正しく理解することやすべての人の人権を大切にすること、互いを理解し、目標達成に向けて協力することを大切にすることが北方領土問題の解決につながるのではないかと報告をまとめていました。
 2つの報告は生徒たちの心に大切に刻まれたと思います。自分たちができること、自分たちだからやれる、そんな小さなことから平和を考える一歩を歩みたいと思います。




2022年11月15日 吉田 和則